2011年7月22日金曜日

「メイン・ストリートのならず者 / ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)



「メイン・ストリートのならず者」 / ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)


三、四千年前の人間の祖先のことを思い出してみろよ。
骨を見つけ、
それを岩の上で打ち砕いた男------。
彼は満月を見上げる。
大声で吠えた。
それが音楽の起源。
----それこそがロックンロールだ。
キース・リチャーズ

ロックバンドは星の数ほどあるが、泣く子も黙る最高・最強ロックバンドといえばローリング・ストーンズ(The Rolling Stonesに止めをさす。そういうと、ストーンズ特有の一つの音楽形態にこだわり続け、年長者バンドらしく同じタイプの演奏を頑なに続けていると思い込んでいる人も多いだろうが、そうはいかない。

ローリング・ストーンズは、その名の通り転がる石のように、デビュー以来、30年以上も、先人への畏敬の念を片時も忘れることなく、いまの空気と確実にシンクロして常に最先端の音楽を、第一線に立ち続けて送り込んでくる偉大すぎるバンドだ。これほどのバンドは他にいない。

ロンドンのR&B シーンから、チャック・ベリーのカヴァー曲「カム・オン」でデビューしたのが1963年6月こと。バンド名はシカゴブルースの巨匠、マディ・ウォーターズの名曲"Rollin' Stone"にちなんで、当時リーダーであったブライアン・ジョーンズが命名した。その名の通り彼らはシカゴ・ブルースやR&B を深く愛しており、初期の頃はシカゴ・ブルースやR&B のカヴァーを多くこなした。
やがて、その中からインスピレーションを得て、自分たちのオリシナルなサウンドを徐々に磨きをかけ構築していく。R&Bの先人をリーダーにしていた彼らこそニューリーダーとして存在感を強くしていく。

ミック・ジャガー&リチャーズ・キースが曲作りを始めてからは、先人の音楽をベースにしながらも、独自の個性を発揮。数多くのヒット曲を連発。特に60年代はブライアン・ジョーンズが多才ぶりを発揮して音楽的な側面を支えた。

よくライバルにビートルズを引き合いに出されたが、その音楽は本質的に違っていた。「アングロ・サクソン的」なビートルズとは比較にならないブラッキーで重いサウンドは黒人音楽にルーツをもつ伝統と「白人なのに黒人のように歌える」エルビス・プレスリーのロックンロールの創造を基礎にしながらも、それらを越えるかのように研ぎ澄まされた「黒人のようにR&Bを歌う」音楽は唯一無二にして強烈である。

エルヴィス・プレスリーの活躍がビートルズ、ローリング・ストーンズを生んだのと同じく、あらゆる黒人音楽を吸収し創造したローリング・ストーンズの活躍は、米英で白人R&Bバンドが多数登場するきっかけとなった。


エルヴィス・プレスリー、ジェリー・リー・ルイス、バディ・ホリー、リトル・リチャード、そういう男たちがオレを駆り立てたんだ。


キース・リチャーズ


全世界でのアルバム総売り上げは、2億枚以上である。 代表曲になるヒット曲は数多く「ひとりぼっちの世界」「19回目の神経衰弱」「サティスファクション」「黒くぬれ」「タイム・イズ・オン・マイ・サイド」「ルビー・チューズデイ」「悪魔を憐れむ歌」「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」「ホンキー・トンク・ウィメン」「ブラウン・シュガー」「ダイスを転がせ」「悲しみのアンジー」「ミス・ユー」「スタート・ミー・アップ」などがある。

アルバム「メイン・ストリートのならず者」 (1972) は屈指の名盤だ。


ブライアン・ジョーンズ(Louis Brian Hopkin Jones、1942年 - 1969年)
レコードデビュー時から在籍で、バンドの初代リーダー。
担当:ギター、ハーモニカ(他にダルシマー、マリンバ、シタールなど多くの楽器を演奏。一部の曲でバッキング・ボーカル)。
1969年に急逝。死因は不明。自殺説。事故説、他殺説がある。

ミック・ジャガー(Sir Michael Phillip Jagger、1943年~ )
レコードデビュー時から在籍、ブライアンの死後、2代目のリーダーとしてボ・ディドリーに任命された。2003年12月12日、英国においてナイトの称号を授与された。
担当:リードボーカル、ハーモニカ(曲によってギター、キーボードなどを担当することもある)。

キース・リチャーズ(Keith Richards、1943年~ )
レコードデビュー時から在籍。ミックと共にバンドの2大看板。
担当:ギター、バッキング・ボーカル(一部の曲でベースギター、リードボーカルを担当)。

チャーリー・ワッツ(Charles Robert Watts、1941年~)
レコードデビュー時から在籍。メンバーの中で、唯一初婚を貫いている。
担当:ドラムス。デビュー前から、ジャズ・ドラマーのキャリアがある。

ビル・ワイマン(Williams Parks、1936年~ )
レコードデビュー時から在籍。1991年脱退。脱退後のベースギターは、ダリル・ジョーンズがサポート・メンバーとして担当している。
担当:ベースギター("In Another Land" 1曲のみリードボーカル)。


ミック・テイラー(Michael Kevin Taylor、1948年~ )
1969年、ブライアン・ジョーンズの後任として加入するが、1974年脱退。
担当:ギター(一部の曲でベースギター)。

ロン・ウッド(Ronald David Wood、1947年~ )
1975年、ミック・テイラーの後任として加入した。
1968年から1969年にかけては、ベーシストとしてジェフ・ベックのアルバムとツアーに参加していた。その後、フェイセズでギターを担当していたが、フェイセズが解散したことでジェフ・ベックの推薦でストーンズに加入した。1993年に契約書上で正式メンバーになった。1975年、ミック・テイラーの後任にジェフ・ベック自身が誘われたが、それを拒否ロン・ウッドをベックが推薦した。
担当:ギター、バッキング・ボーカル(一部の曲でベースギター他)。




大体、誰も彼もがいつも、俺たちに《しわくちゃロッカー》だとかいろんな難癖をっけてくるわけだしさ。
『一体、じいさんたちはなにをやらかすっもりだ』っていうね。
だから、俺は言わせてもらいたいよ。
デューク・エリントンを見てみろってんだ。
わかるかい?
年齢なんざ関係ねえんだ。
それなのに、毎年毎年『ストーンズはまだ本当にやれるのか?』って話になるわけだ。
はっきり言わせてもらえば、やれるかやれないかくらいはてめえで一番わかってるってことだよ。



キース・リチャーズ