2011年11月19日土曜日

Because/ The Dave Clark Five






Because/The Dave Clark Five

Top Of The Popsの異名をとったDC5つまりデイヴ・クラーク・ファイヴ (The Dave Clark Five)は、1960年代に起こったイギリスの侵略と呼ばれたブリティッシュ・インヴェイジョン(British Invasion)の立役者の一員であり、その中でも中心的な存在のひとつ。マージー・ビート(リバプール・サウンド)と呼ばれた一連のブリティッシュ勢にあってひときわ突出していた。

<Glad All Over>のナンバーワンヒットでブレイクし、アメリカ進出にも成功し、カーネギーホールでのライブを行ったバンドである。デイヴ・クラーク、マイク・スミス、レニー・デビッドソン、リック・ハクスリー、デニス・ペイトンの5名からなる。

初期のビートルズと十分に張り合えるサウンドにして異質。ビートルズと共にもっともアメリカで成功したグループだ。エド・サリバンシューにも最多出演しているのは、そのスマートさによるものだろう。最初の頃、ローリング・ストーンズは不良性とマナーの悪さで失敗している。個人的にはビートルズより好きだ。テナーサックス、オルガンをフィーチャーしたボリュームがありながらも実にシャープで爽やか、ルックスのスマートさにぴったりのサウンドが特徴的で一度聴いたら耳に残るストレートなサウンドが魅力だ。

<Do You Love Me><Anyway You Want It><Over and Over ><Catch Us If You Can><I like It Like That><Can't You See That She's Mine><WHEN><Darling I love you><DON'T BE TAKEN IN><Red Balloon><I Need You, I love You><Julia>

さらにエルヴィス・プレスリー大ヒット<Loving You>ファッツ・ドミノの<Blueberry Hill>のカヴァーなど人気は高かった。

彼等のヒット曲の歴史を刻み込んだベストアルバムは希少価値のある文句なしの宝物だ。



なかでも<Because/ ビコーズ>は、<WHEN / 忘れえぬ君>と共にシンプルだが、オルガンを効かせたメロディラインがとびっきり美しいロッカ・バラードの大傑作。その人気の高さはいまでもカラオケにあることからも伺える。思い出を持った人も多いだろう。

1967年に人気に翳りが出たのは社会情勢の影響が大きい。この時期にはベトナム戦争が激化。明るくスマートな音楽、映画はほとんど失速したのは時代の気分である。太陽のようなビーチボーイズさえ変貌を遂げたように、ビートルズが人気をキープしたのはドラックカルチャーとうまく融合したことが大きい。一方、デイヴ・クラークは根がスポーツマンである。澱んでいくアメリカンポップズの流れに合わなくなっても当然と言える。1970年に解散した。

活動期間は短かったが、いつまでも忘れない人は少なくない。当時の若者の心に鮮やかな印象を残して去った。春風のようなグループだった。2008年3月10日にロックの殿堂入りを果たしている。デイヴ・クラーク・ファイヴ、彼らに拍手を!

2011年11月4日金曜日

LET IT BE / The Beatles


LET IT BE / レット・イット・ビー

ロックンロールは1954年に始まった。
ビートルズは、1970年4月10日にポール・マッカートニーの脱退を公表によって事実上解散した。

歌うこと、歌声にできることに生涯をかけたエルヴィス・プレスリーは、黒人と白人の垣根を破壊して、間違いなく社会を変えた。それを体験したのが「エルヴィス以前にはなにもなかった」と語ったジョン・レノンであり、ポール・マッカートニー、キース・リチャーズ、ミック・ジャガー、ボブ・ディラン、ブルース・スプリングスティーンたちで、音楽ができることを体験から学んだ彼らは、歌にできることに自分を賭けた。彼らはそれぞれにオリジナリティーを打ち出し、それぞが光り輝いている。

歌うこと、歌声にできることに自分を賭けたエルヴィス、
歌にできることに自分を賭けたビートルス
エルヴィスとビートルズの決定的な違いがそこにあり、それゆえ違う道を歩んだ。

「エルヴィス以前にはなにもなかった」とは・・・彼らが学んだことは、「君のままでいんだよ」ということだった。つまり君がやりたいようにやればいいんだ。他人に迷惑さえかけなければね。・・・吉田拓郎が<ビートルズが教えてくれた>で歌ったことだ。

そのビートルスが、幕引きに歌ったのが<LET IT BE>である。

なんともすごい★★★★★ 歌舞伎なら大見得切った花道である。事実はともかく偶然の出来事であったにしても、このタイミングでの解散には震えが来て、拍手喝采さえできなくなる。
一方のエルヴィスは1969年には、長い映画生活に別れを告げ、ステージにカムバック、本来の自分を取りもどしたが、そのステージで取り上げた一曲が、<LET IT BE ME>だ。 MEがあるとないとで意味が全然変わるが、そのままエルヴィスとビートルズの違いに通じていて楽しい。
それにしてもエルヴィスがいなkればビートルズはなかったというように、両者から発信された「あるがままに」というメッセージは胸を打つ。



そうして、もうひとり「あるがままに」生きて去ったヒーローがいる。ビートルズが好きで、社名までビートルズのアップルを使ったアップル社のスティーブ・ジョブズ氏である。コンピュータに道を発見し、気がつけばiPod、iTunesで、音楽配信のカリスマになっていた。その生き様からも<LET IT BE>が聴こえてくる。彼らは <BE~存在のあり方>で愛と勇気を贈ってくれた。私たちは決してそれを忘れてはいけない。

クレージーな人たちがいる
反逆者、厄介者と呼ばれる人たち
四角い穴に 丸い杭を打ちこむように
物事をまるで違う目で見る人たち

彼らは規則を嫌う 彼らは現状を肯定しない
彼らの言葉に心をうたれる人がいる
反対する人も 賞賛する人も けなす人もいる
しかし 彼らを無視することは誰にもできない
なぜなら、彼らは物事を変えたからだ
彼らは人間を前進させた

彼らはクレージーと言われるが 私たちは天才だと思う
自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが
本当に世界を変えているのだから。

Think Different(アップルCM)