Chuck Berry - Hail! Hail! Rock 'N' Roll
Johnny B. Goode /Chuck Berry
ELVIS :THAT’S THE WAY(邦題 エルヴィス・オン・ステージ)の大ヒットを受けて2作目のドキュメントとして製作されたELVIS ON TOUR((邦題 エルヴィス・オン・ツアー)のオープニングで登場するのが<ジョニー・B・グッド>だ。
「ロックの神様」と称されるチャック・ベリーの曲を「ロックの王様」と称されるエルヴィス・プレスリーが歌う。
なにもよりによってこの曲をオープニングに持ってくることはないだろうとエルヴィス・ファンなら思ったはずで、エルヴィス死後にリストアされたDVDでは、オープニングは変更されている。
つまりエルヴィス自身は、<ジョニー・B・グッド>もチャック・ベリーも好きだったのだ。1958年にシングルとして発売された<ジョニー・B・グッド>はチャック・ベリー一連のヒット曲のなかでも特別な意味を持つ。
ロックンロールのスタンダード・ナンバーの一つとして多くのビッグアーティスト、ビック・バンドがカバーしているのみならず、特徴的なイントロをパクっている。
ロンドンパンクの雄、セックス・ピストルズもカヴァーしているように、つまり誰でもが演奏しやすいのが特徴だともいえる。
そこにセックス・ピストルズがカヴァーした意味があるし、ロックンロールの原点ともいうべき曲であり、アーティスト(チャック・ベリー)なのだ。
70年代初頭、当時まだ無名だったブルース・スプリングスティーンは地方のコンサートで前座を務めた。
その様子はドキュメンタリー「ヘイル!ヘイル!ロックンロール」に収録されている。
「やっとチャック・ペリーが入ってきた。一人きりで、持ち物はギターケースだけ。いうことは、会場まで自分で車を運転してきたのだろう。チャックは、俺の横を通りすぎると、一直線にプロモーターのオフィスに歩いていった。」
ギャラのやりとりだろう。戻ってきたチャック・ペリーにブルース・スプリングスティーンは尋ねた。「何を演るんですか」
返事は「チャック・ベリーの曲を演るのさ」としか言わなかった。
ステージが始まったが、打ち合わせなしなので、なにをどうしていいのか分からないブルースやバンドの連中には緊張が走った。
おかまいなしにチャックはイントロをかきならした。
どうしていいのか分からなかった即席のバンドはその音でキーを理解し、ついていくと大歓声の客席と一体になって会場はロックンロールの熱狂に包まれた。
一曲目が終わると、チャック・ペリーはブルース・スプリングスティーンの元によってきて、「よお、若いの、稼ぐんだ」と声をかけたという。
チャック・ベリーにとって、<モンキー・ビジネス>を歌うまでもなく、音楽は終始一貫して「金儲け」なのだ。
どうしていいのか分からなかった即席のバンドはその音でキーを理解し、ついていくと大歓声の客席と一体になって会場はロックンロールの熱狂に包まれた。
一曲目が終わると、チャック・ペリーはブルース・スプリングスティーンの元によってきて、「よお、若いの、稼ぐんだ」と声をかけたという。
チャック・ベリーにとって、<モンキー・ビジネス>を歌うまでもなく、音楽は終始一貫して「金儲け」なのだ。
そして興奮のうちに、コンサートが終了すると、あっという間にギターをケースにしまって運転してきた車に乗って立ち去ったという。
おそらくエルヴィスも監督も、チャック・ベリーのスタイルを知っていたのだろう。そしてコンサートの規模が違っても「エルヴィス・オン・ツアー」のオープニングにふさわしいと判断したのだろう。
おそらくエルヴィスも監督も、チャック・ベリーのスタイルを知っていたのだろう。そしてコンサートの規模が違っても「エルヴィス・オン・ツアー」のオープニングにふさわしいと判断したのだろう。
チャック・ベリーのスタイルを見てられないと思ったのが畏敬の念を抱くキース・リチャーズだったが、セックス・ピストルズは巨大産業になる前のロックンロールのシンボリックな姿と受け止めのだろう。それもまたビジネスのかたちであったが。
しかし、王者エルヴィスは本当のところ、どう考えていたのだろう?
初期のメガヒット<ハウンド・ドッグ>の録音では100回近いテークを録り、バンドをヘトヘトにさせたが、60年代のヒット曲<悲しき悪魔>では一発で決めている。
どちらにしても、チャック・ベリーもエルヴィス・プレスリーも、ロックが巨大産業になる前のアーティストであり、彼らを、彼らの音楽や作品をどう取り扱ったらいいのか、誰も分からなかった時代のアーティストであり、「興行」というやり方が当たり前だった頃の伝説だ。
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